生きるのが虚しい理由
50代の後半になるとどんな心境になるのか・・・
生活の骨格である「仕事」「家庭」「プライベート」の3つに分けて考えてみたいと思います。
仕事
50代の後半になると大手企業では役職定年や給料ダウン、第一線からの離脱などいわゆる下り坂の段階に移行していく年代になります。
会社へのこれまでの貢献度を考えた時、このような扱いを受け「今までの頑張りは何だったのか」と虚しさを感じる人も少なくありません。
これが一般的なことだと分かっていても、心の中にぽっかりと穴があいたような気持になり、
寂しい気持ちになってしまいます。
中小の会社では50代であっても、人手不足もありそれほど変化なく働き続けられるかも
しれません。
しかし毎日の仕事を振り返ると、結局は同じ作業の繰り返しと同じ人間関係で、昔ほど新鮮味を感じることなく、惰性で仕事をしている自分がいる・・・
ふと振り返ると、そんな環境や自分自身に強烈な虚しさを感じてしまいます。
心が重い、しんどいのです。
どの会社にいても50代後半になると、「定年」という現実が目の前に迫っており、嫌でもその先に
ついて考えなければならなくなります。
このような虚しさや心の閉塞感を感じながら、65歳まで雇用延長し働き続けるか?
60歳まででもういいよ、という人も多いのではないでしょうか。
しかし老後生活の為、やむなく雇用延長をしなければならない人も多く、更に鬱になりそうなほど
気持ちは落ち込んでしまいます。
これが大半の50代後半にさしかかった人の現実ではないでしょうか。
家庭
50代後半の人の家庭における心境はどんなものでしょう。
結婚して子供がいれば、その子供も一人立ちして家を出ているかもしれません。
これまで子供の成長や関わりの中で生きがいを感じてきた人には、子供を一人前に育てた自負と
同時に、子供の独立に心の中にぽっかりと穴が開いたように感じる人も多いと思います。
子供が家を出た後はパートナーと二人っきりの生活となります。
子供がパートナーとの緩衝材になっていた家庭では、パートナーと二人っきりの生活というのは
ある種気まずさを感じてしまうかもしれません。
何よりこれまで数十年一緒に生活していると夫婦生活もマンネリ化し、お互いの嫌な部分を
再確認しこのまま死ぬまでこの状況が続くのかとここでも虚しさが襲いかかります。
子供がいたから二人の関係が維持出来たのだと再確認するかもしれません。
プライベート
仕事や子育てに忙しくしてきた50代後半の人にとって、仕事以外の人との付き合いやこれといった趣味、没頭できること、時間を潰せるようなことを持っている人は少ないかもしれません。
仕事を60歳あるいは65歳で辞めてもその後の人生は続きます。
仕事に虚しさを感じていた人も仕事を辞め有り余るほどの時間を目の前にした時、やることが見当たらなければ、その時間の使い方に呆然としてしまうかもしれません。
50代後半にそんな想像をしたとき、また強烈な虚しさを感じてしまうのではないでしょうか。
だからといってよく巷で言われる「老後の為に趣味を見つけましょう」や「今から地域コミュニティーに参加しましょう」という声に素直に耳を傾けられるでしょうか。
こんな声すら虚しさを倍増させてしまいます。
どの面からみても50代の後半は「虚しい」「寂しい」などの心の叫びが吹き荒ぶ年代なのです。
逆にこれまで書いてきたことに一つでも当てはまらない人はとても幸せな人かもしれません。
残り人生を考えると・・・
私自身も例外ではなく、上記のまさに典型のような人間です。
例え今も忙しそうに日々を過ごしていても、心のどこかで「虚しさ」と「しんどさ」を抱えながら
悶々とした日々を過ごしています。
そして今の仕事を定年退職した後の為に、何か技量を身につけようとしても、「残り人生で
何ができるというのか」と「諦め」「投げやり」の気持ちが支配し前に進めません。
プライベートを充実させる為に、何か始めようとしても同じような気持ちになります。
何を始めても残り時間を考えると中途半端になるだけだ、と前に進むことに躊躇してしまいます。
そう50代も後半になると、「今更遅い」病にかかってしまうのです。
お寺に相談すると・・・
そのような「虚しさ」と「閉塞感」が心を覆いつくし、たまらず近所のお寺に相談に行きました。
ご住職様に上記のような状況と心の内を相談し回答を求めたのです。
ご住職様は自分も修行の身と前置きしたうえで以下のように仰いました。
話の内容とお寺の荘厳な雰囲気と相まって少し気持ちが晴れたような思いで帰路についたのです。
七つの布施とは
ご住職様が仰った「七つの布施」とは次のようなことです。
今を輝かせるには
50代も後半になるとこれまで書いてきたような鬱的な状態になる人も多いそうです。
将来に希望が見いだせない・・・
ですがこのまま悶々としていても何も解決しません。
この状態から少しでも抜け出すには「死」を意識することが大切だと思います。
これまでのように「死」から逃げたり避けたりするのは止めた方が良いと思います。
「死」を現実のものとして考える年齢にさしかかったのです。
あなたはあと何年生きられるでしょうか。
人生100年時代というけれど私には全く実感がわきません。
せいぜい10年やそこらではないでしょうか。
「もっとだろ」と思う人がいるかもしれませんが、このくらいの感覚がちょうど良いと
思うのです。
「もうそんなに時間が無いのだよ」と思えるからです。
では残された10年で何をしなければならないのか。
1日1日をどう過ごすべきなのか。
人生のエンディングに向けてどんな準備をすべきなのか。
頭に汗かきながら考える時期がこの50代後半だと思うのです。
虚しい、寂しいなどともの思いにふけっている場合ではないのです。
まとめ
50代後半~60代前半は生活全般において環境が大きく変わる時期でもあります。
ポジティブでいられる人は良いですが、そんな変化についていけずマイナス感情を抱き、時には
鬱っぽくなってしまい、どうしようもなくなる人もいるかと思います。
残り人生を考えると大きなことは出来ないかもしれません。
しかし残り時間が少ないからこそやらなければならない事があるはずです。
自分が残りの人生でできることは何なのか、したいことは何なのか、どんなエンディングを
迎えたいのかを考え、1日1日実践していく中で、これまで抱えていた「虚しさ」や「閉塞感」
なども影を潜め、やる気も出てくるのだと思います。
とにかく今は焦らず、この後の人生をどう過ごしていくのか考えていきましょう。
途中で軌道修正してもいいじゃないですか。
一緒に頑張っていきましょう。
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