この記事では幸せについて考えていきたいと思います。
さて幸せって何でしょうか?
人は幸せを求める生き物ですし、その為に毎日、勉強したり働いたり子育てしたり
恋愛したり・・・
でも改めて幸せとは何か?と聞かれてもはっきりと答えることが出来ません。
フツーに生活できていることが幸せなのでしょうか。
人によって幸せと感じることも、その深さも異なります。
そんな定義の難しい「幸せ」を科学的に研究している学問がポジティブ心理学です。
そしてポジティブ心理学でいう「幸せ」を構成する要素がPERMA理論というものです。
このポジティブ心理学を提唱したのはアメリカのマーティン・セリグマンという人です。
ポジティブ心理学でいう幸せとは?そして幸せを構成するPERMA理論とは?
これまでの心理学は、うつ病などの精神疾患(マイナス状態)から普通の状態(ゼロの状態)にもっていく研究をしていました。
ポジティブ心理学というのは、普通の状態(ゼロの状態)から幸せの状態(プラスの状態)にもっていくための研究です。
ゼロをプラスにするには、マイナスからゼロにするのとは違うアプローチが必要、とセリグマンは
言ってます。
ポジティブ心理学でいう幸せとは・・・英語で言うとHappinessではなくWell-beingになります。
Happinessは「喜びや快楽」などのイメージですが、Well-beingはトータルでの「良き人生」を指します。
このWell-beingを構成する要素がP E R M A なのです。
このP E R M Aはそれぞれの単語の頭文字を取っています。
P・・・Positive Emotion
E・・・Engagement
R・・・Relationships
M・・・Meaning
A・・・Achivement
嬉しい、楽しい、面白い、感動、感激、感謝、希望などポジティブな感情のこと。
これらの感情があると幸せと感じるのではないでしょうか。
しかし、この「ポジティブな感情」にも欠点があります。
①この感情を味わえるかどうかは遺伝的要素が大きいということ。
同じことでもポジティブな感情になれるかどうかは人によって個人差が大きいということです。
②この「ポジティブな感情」は慣れが早いこと。
なんらかの出来事を「楽しい」と感じても、2回目以降ずっと「楽しい」という感情を感じるか
というと薄れていくことも多いです。
「感動」や「面白い」という感情も同じように薄れていくことが多いです。
それくらい人間は「慣れる」生き物なのです。
宝くじが当たった場合の幸福度も、一旦は上昇しますが、時間の経過とともに
また元の幸福度に戻ります。
交通事故など不幸なことが起こった時も一旦は下降しますが、また元の幸福度に
戻ります。
このようにポジティブ感情は「慣れの感情」とも言えるのですが、毎日このポジティブ感情を
味わうには、毎晩寝る前にその日の良かったことをかき出す、というのがおススメです。
何かに我を忘れて没頭すること。「フロー」とか「ゾーン」とか言われたりします。
あることをしていると一瞬で時間が過ぎたり、スポーツでこの「ゾーン」に入ると、相手の動きが
スローに見えたりすると言われています。
先程の「ポジティブな感情」とこの「没頭」は何が違うのか?
それは満足感を感じるタイミングが違います。
「没頭」はある行為をしている最中は無心になり、その行為が終わったあとに深い満足感を感じます。
「ポジティブな感情」はある行為のまさに最中に深い満足感を感じています。
ちなみに「没頭」状態に入るには、ある程度挑戦レベルとスキルレベルが釣り合っている事が
必要です。お互いが高い、低いで相反すると「没頭」状態には入れません。
上司,知人、親、子供、パ-トナー、友人、同僚、他人との人間関係を良好に保つことは、
幸せに大きく影響します。
この人間関係からは一生逃れられないからこそ良好に保てるか否かは幸せに直結します。
ポジティブ心理学では、この人間関係から得られる幸福感をより大きなものにする為に、
以下の事を勧めています。
①人に親切にする
②感謝の手紙を書く
人に親切にすると、相手だけでなく、自分の幸福感も高めてくれることが
分かっています。
同様に感謝の手紙を書くと、書いた方も幸福感が高まることが分かって
います。
自分の人生の意味を追求すること。
「社会貢献」や「思想的な活動」を通じて自分の人生の意味を見出すことができることもあります。
この「意味の追求」がもっとも人生の満足度を高めてくれることがわかっています。
この人生の満足度でいうと、「ポジティブな感情」というのはほとんど関係ないそうです。
寄付やボランティアをするのは、この人生の意味の追求をしているのかもしれません。
これまで人類は目標をもち、それを達成することで発展してきました。
ある研究で夢や目標を持っている人の方が持っていない人よりも幸福であることがわかっています。
まとめ
普通の状態から幸せの状態にもっていくための研究「ポジティブ心理学」。
ポジティブ心理学でいう幸せとはWell-being(良き人生)で、
このWell-beingを構成する要素がPERMA理論です。
そしてこの5つの構成要素をひとつひとつ見てきました。
日々ポジティブな感情で満たされたいと思い生活していますが、
実際のところ「人間関係」を良好に保つことや「自分の人生の意味」
を追求することが深い満足感を得られ、より幸せを感じるのかも
しれません。
コメント